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ヴェイユ


 れいによって、みすずから出ているヴェイユ選集も3巻目になった、というのは以前書きました。後期ヴェイユは、そりゃあもう、じつにたいへんにややこしいこと限りない。
 
 「われわれは正義のために戦っているのか」という文章などは、私には、いかにもヴェイユらしい文章です。
 
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p218
 愛の狂気に憑かれた人びとは、この世界のいたるところで、人間の生のあらゆる形態のもとで、あらゆる人間存在のうちに、自由な同意の能力が花開くのをみたいという欲求をいだく。
 かかる欲求がなんの役にたつのか、と分別ある人間たちは考える。だが、かかる欲求をいだく人びとに責任はない。かわいそうに。愚かしく常軌を逸している。胃の腑が変なのだ。正義に飢え乾いているのだから。
  ((……略……))
 だが、そのためには愚かで常軌を逸しているだけでなく、飢えが諸器官の機能にとって破壊的であるのとおなじく、魂の自然な均衡にとって破壊的な欲求をおのれの内部に宿していなければならない。
  ((……略……))
p219
 右翼と左翼のあいだの論争の多くは、個人的気まぐれへの嗜好と社会的強制への嗜好との対立に帰着する。あるいはいっそうの精確を期すなら、社会的強制の唾棄と個人的気まぐれの唾棄との対立に帰着するといってよい。慈愛も正義もそこでは関係がない。
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 ああ、じつにヴェイユですね。
 私もこういう良質なものを書きまくりたいものだとしみじみ思いつつ、図書館に返却します。
 
 
 


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Hikari Miito

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